当社が取り組む「カラー印刷の標準化」とは…
イメージとかけ離れた印刷物が仕上がってきた…という経験はございませんか?
カラー印刷は、温度や湿度、紙の種類など様々な影響を受けてしまう、非常にデリケートで難しいものです。当社では、色の評価を技術者の目視だけにたよるのではなく、計測器を用いて色を測定し、目標値と許容値を定め、それを維持・管理していくことで、印刷の基準となる「ものさし」を明確にしました。数値で管理するので、安定した品質の印刷物を常に生産できる…それが当社が取り組んでいる「カラー印刷の標準化」です。
国内有数の大手企業様の他、多くの印刷業者様やデザイン会社様にご利用いただき「最後に頼りになる印刷会社」として大阪で高いご評価をいただいております。
また、最高峰の印刷機メーカーとして名高い、ハイデルベルグ社の元技術指導者の先生と技術指導契約を結んでおり、直接現場でご指導いただくことで、日々、印刷技術を磨いております。
印刷
客観的な評価を行うには、測定値及び、適切な測定方法が不可欠です。
当社では、全ての印刷物にコントロールストリップ(※1)をつけ、ハイデルベルグ社製の印刷品質管理装置で、インキ濃度(※2)・ドットゲイン(※3)・グレーバランス(※4)・Lab(※5)などを総合的に計測し、世界標準の許容範囲内に収まるように調整します。品質管理装置は印刷機と連動しているので、計測した情報を印刷機にフィードバックすることができ、より安定した品質の印刷物を生産できます。また、工場内の温度・湿度を管理し、品質の安定しやすい環境を実現しています。
※1 コントロールストリップ…様々な情報が含まれている、色の「ものさし」。印刷品質管理装置で計測することで、色を数値に置き換えて管理することができ、情報を印刷機にフィードバックする。
※2 インキ濃度…インキを通して紙から光が反射する程度を表す量。インキ濃度の標準値から適正なインキ膜厚を導きだす。
※3 ドットゲイン…網点のつぶれ、インキのにじみなどが原因で、印刷された網点が版の網点よりも大きくなる現象のこと。物理的ドットゲインと光学的ドットゲインとがある。
※4 グレーバランス…CMYの3原色を等量掛け合わせれば、理論上は無彩色のグレーになる事から、これをグレーバランスと言う。グレーは色調の変化を最も受けやすいため、コントロールストリップのグレーパッチはカラーバランスの管理に最適である。当社ではグレーバランスを色の絶対値であるLabや色差ΔE(デルタイー)で管理し、その値を常に標準値内に収める事で、品質の安定を実現している。
※5 Lab…L(明るさ)a(赤~緑)b(黄~青)の3つの要素からなるカラーモデル。再現される色がデバイスに依存するRGBやCMYKとは異なり、ある値がどの色を表すかということが厳密に規定されている色の絶対値。
製版
カラー印刷の標準化を行うにあたり、司令塔の役目を担っているのが製版部門です。
徹底した網点(※1)の管理、カラーマネジメント(※2)、Sublima(スブリマ)(※3)、AMスクリーニング(※4)、画像の補正など、お客様からいただいたデータを印刷で再現できるよう、他部門と連携しながら日夜努力を重ねています。
また、きめ細かい検版作業で、印刷前の最後の砦として細かなミスをすくいあげ、品質の安定化に貢献しています。
※1 網点…印刷物を構成する細かい点、またはその集合のこと。色は網点の大小で表現する。
※2 カラーマネジメント…スキャナとモニタ、プリンタ、印刷など、異なるデバイス間にあっても、可能な限り同じ色味を得るために色を統一的に管理すること。
※3 Sublima(スブリマ)…AMとFMを融合した新たな次元のスクリーニング。2400dpiにて240線または280線での高精細出力を実現。中間部は従来のAMスクリーニング技術、ハイライト部とシャドウ部では印刷適性を考慮した網点サイズで密度を変調するというAMの網点を使用しながらFMの技術を応用する事で、高い線数であっても1~99%の階調再現を行います。
※4 AMスクリーニング…Amplitude Modulation Screeningの略。画像の濃淡を網点の大小で表現する従来の網掛けの方法。